施工の知識
なぜ、家を塗り替えるのか?
まず最初に思いつくのは、「汚れてきて、みすぼらしくなったのでキレイにしたい」ということでしょう。塗替えすることによって新築同様の外観を復元したり、また別の色合いの新たな外観にイメージチェンジすることもできます。
しかし、塗替えにはもっと重要な目的があることをご存じでしょうか?
それは、防水機能などの耐候性能の復元です。家屋は紫外線や日射熱、降水、積雪、さらには地震、台風、酸性雨や大気汚染物質などに絶えずさらされている状態にあります。こういった様々な外的要因から、建物の構造躯体の劣化を防いでくれているのが、外壁や屋根に施されている塗装です。かなりの外的ストレスを強いられ続けて、新築当初(塗替え当初)に塗膜に備わっていた防水機能や防錆機能、光触媒能力や遮熱性能などのさまざまな耐候性能は、およそ10年でその能力を失ってしまします。放っておくと家の内部に水が浸入、内部にカビが発生し木部は腐食してしまいます。そうなれば、大切な財産が価値を失ってしまうことになります。
そこで、失われてしまった防水機能やその他の耐候性能を復元すべく、家の塗替えを行うのです。
塗替え時期は、だいたい築10年目(塗替え後10年)程度です。
理想的な塗替え時期は…
塗装の種類によって違いがありますが、このように定期的に塗替えを行うことによって、家の美観と、防水機能や耐候性能を維持することができます。うれしいことに、現代の家は断熱や気密性能、耐震性能などに優れたものになってきており、きちんとメンテナンスをすることによって、これまでよりも何倍も長持ちします。家の耐用年数が延びることになり資産価値を保つことができるのです。
また、どうしようもなくなってから外壁や屋根の補修、塗替えをしたのでは、その修理費用は大きくかさみます。状況によっては建て替えるという選択肢もでてくることでしょう。自動車を定期的に検査に出しメンテナンスをするのと同じように、家も適切なタイミングで塗替えなどメンテナンスをすることで、長く安心安全に暮らせるとともに、結果的に生涯のトータルコストを抑えることができるのです。
塗装の種類は、大きく分けて4種類あります。
アクリル系脂塗料
経済的に優れており、バランスのとれた塗料として広く使用されています。しかし、耐用年数が5~7年と短く、この周期での塗替えが必要となります。
ウレタン樹脂塗料
アクリル樹脂塗料より耐久性があります。艶があるので建物の美観性がとても良くなります。耐用年数は8~10年とされています。
シリコン樹脂塗料
耐候性・耐久性に特に優れ、付着した汚れが落ちやすいという特性があります。耐用年数が10~15年と長いので、塗替え周期を長くすることができます。
フッ素樹脂塗料
特に耐候性に優れているのに合わせて、長期間にわたって耐久性を維持します。耐用年数が15~20年と非常に長くいハイグレードの塗料です。
耐用年数、耐候性、価格以外にも、下地の材種やお住まいの立地環境などによっても、塗料選びは変わってきます。お気軽にご相談ください。